【高校化学】どんな問題集を使うべきか?
ブログ2日目。今日は、先日とある高校生とのやりとりで感じたことを記事にします。
タイトルの通り、今回は化学の問題集について書きますが、この手の悩みは他の教科でも大いにありますよね。
選ぶときの基準はある程度普遍的なものですから、化学以外でお悩みの人にも参考になればと思います。
目的に合った問題集を選ぶ
私が勤めている塾の個別指導では、一部の高校生は、使う問題集を自分でチョイスして持参しています。
先日、化学のコマに「重問」(実践化学重要問題集,数研出版)を持参した生徒がいて、ある単元の予習を進めることになりました。
この問題集自体は評判の通り、大学入試の特に二次試験対策の一環として取り組むには素晴らしいものだと私も思っています。
しかしそんな重問も、予習という目的を鑑みると、「素晴らしい」とは言えません。
なぜ重問をチョイスしたのかと尋ねると、「評判を聞いて」という返答。
問題集選びの際は、どういう人がどういう理由で「良い」と言っているのか、冷静に判断する必要があるでしょう。
ここでは、生徒の進度に応じて、私がおすすめする問題集を紹介したいと思います。
スタンダードなアイテム:「教科書」と「旁用問題集」
何よりも重要なのは、今の自分に合ったモノを選ぶこと。それに尽きます。
まずは、自分の勉強が今、どの段階にあるのかということを考えましょう。
- 日常的な予習・復習
- 学校の定期試験対策
- 大学入試・センター試験対策
- 大学入試・二次試験対策
だいたいこのような分類になるでしょう。
先ほど紹介した重問は、やはり「二次試験対策」に適した問題集です。ほかには標準問題精講(旺文社)などが、その段階でオススメできる問題集となります。
では、学校の予習・復習には何を使えばよいでしょうか。
結論を言うと、「教科書」+学校指定の「旁用問題集」。これが必要にして十分な、最適なセットです。特別なモノは要りません。ひたすら「旁用問題集を解く⇔教科書で確認」を繰り返して、基礎知識の定着に努めることこそが、化学の習得には重要なのです。
旁用問題集の良いところ:
- 網羅性:必要な知識を漏らさず確認できる
- 教科書との対応:わからないことは教科書で調べられる
- 守備範囲の広さ:センター試験レベルまで十分対応できる
網羅性と教科書との対応は、日々の予習・復習に欠かせないメリットです。
重問をはじめとする入試対策に特化した問題集では、応用面を重視する以上、どうしても問題に載せきれない知識というものが出てしまいます。それだけで化学の勉強を完結させようとするのは危ういのです。
また、そういった問題集は、最低限の知識はOKという学生向けに、実践の場を提供するものですから、基礎知識が曖昧な状態で取り組むには勿体ないと言えるでしょう。
そして、旁用問題集を侮ることなかれ。旁用問題集で知識や基本計算をマスターすれば、すでにセンター試験レベルの学力は備わっています。すぐにセンター対策に移行できることでしょう。教科書+旁用問題集のセットは、日々の予習・復習からセンター試験まで(当然ですが定期試験も)カバーできる強力なアイテムです。
注意してほしいことが一つだけあります。それは、もしわからないことがあったら必ず教科書(あるいは網羅的な参考書)で調べるということです。各単元にあるまとめのページには頼らないこと!これは、後の入試対策に向けて、教科書を使いこなせるようになって欲しいからです。教科書を繰り返し参照するうちに、教科書のどこに何が書かれているかが自然と染み付いて後々有利に働くし、教科書の鮮やかな画像のおかげで、(個人的に)覚えづらい「色」を視覚的に覚えることができるのです。また、問題集のページをチラリとめくってまとめを見るよりも、「わざわざ」教科書を開いて調べるほうが印象的な経験となり、知識の定着に結びつくと思っています。
(一昔前の電子辞書否定派のような意見になってしまいました。ちなみに、電子辞書については是非使うべきだと思っています。情報量が同じなら、早く手に入る方法を選ぶのは当然です。そんなところで時間を浪費し、勉強へのやる気が削がれてしまっては本末転倒です。まとめのページには、「調べることに抵抗を生じない=覚える必要性を感じさせない」という問題だけでなく、「情報量の不足」があるのです。また、単語を辞書で引くという無機質な動作と、化学を理解するという有機的な営みを同列にするのもいけません。)
こうして旁用問題集を3周もすれば、相当な実力が付いていることを保証します(※周回するときは、効率にも気を付けましょう)。そうしたら、二次試験に向けて重問、最終的には過去問演習を始めればよいのです。
↓機能の練習を兼ねて、重問と標準問題精講のリンクを貼ってみます。
人に流されてはいけない
最後に、人の言うことにただ流されないということも大切です。
周りが使っているから、評判がいいから、という理由で問題集を選ぶのは危険です。
それでも、評判のいい問題集というものは、やはり理由があって評判が良いわけですから、自分に合った使い方をして是非活用して欲しいなと思う次第です。